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腎臓にやさしい食事・生活習慣

透析療法と上手に付き合っていくためには、基本的な食事制限と日々の体調管理が重要になります。透析患者さんに制限が必要な食品と体調管理について紹介していきます。

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透析療法中の食事療法ついて

透析患者さんは、4時間の週3回透析を行いますが、正常な腎臓の機能に比べると毒素の除去が十分ではありません。そのために血中のカリウムとリンの値が高くなってしまいます。
また、水分の排出がうまくできず透析と透析の間で体重が増えてしまいます。このようなことから合併症が生じます。透析療法中の合併症の発症と進行をさせないためにも、食事によるミネラルやエネルギーの摂り方・さらに水分摂取量を知り、食生活の中で注意していく必要があります。

適正なエネルギーとタンパク質を摂取して痩せないようにする

日本透析医学会統計調査委員会では、痩せている透析患者さんは肥満気味の方と比べると死亡リスクが高いことを報告しています。尿毒素の蓄積による食欲不振・透析による栄養素の除去・慢性炎症などによるエネルギー不足から、低栄養となり痩せていることが考えられます。透析中に痩せないようにタンパク質とエネルギーを確保しましょう。エネルギー摂取量は個人差があるので、体重(ドライウエイト)の変化を確認し、必要に応じて調整します。タンパク質など適正な栄養分を取り、運動を適度に行うことで、筋肉量・身体機能の低下、日常生活動作の低下を予防します。

ドライウエイト(理想体重)…透析による除水基準となるもので、体の浮腫の有無・血圧のコントロール状態・心臓が腫れていないか・肺に水が溜まっていないかなどを見ながら判断します。

食塩と水分摂取量に注意しましょう

食事の味付けに欠かすことのできない調味料の食塩。過剰な食塩を摂取することで喉が渇き、水分を過剰に摂取してしまいます。過剰な水分摂取で体内に余分な水分がたまることで、血液中の水分も増え高血圧を引き起こします。また、透析中の除水が増えると血圧の低下を招きます。食事では、醤油は食品につける・酢など香辛料を使う、減塩醤油に変えてみるなど工夫し塩分の摂りすぎに注意しましょう。また、1日に摂取可能な水分量を確認し、水分を摂りすぎないように気をつけましょう。

カリウム・を含む食品の摂取を調整し減らす工夫をしましょう

体にとって重要な働きをするミネラルの一種であるカリウムは、血圧や筋肉の収縮を調整します。透析患者さんは、カリウムの排泄が十分ではなく、カリウムがたまりやすくなります。そのため、カリウムを多く含む食品の摂取量を調整する必要があります。また調理方法では、野菜はゆでこぼす・刻んで水にさらす、また果物は缶詰めを利用するなどの工夫することで、カリウム摂取を調整できます。

リンを含む食品について知り摂取を減らしていきましょう

カリウムと同じく、透析によって排泄が十分でないリンも体にたまりやすくなります。リンは、心筋梗塞などを引き起こす動脈硬化や・骨がもろくなるなどの骨の病気を進行させてしまいます。動物性たんぱく質・ハムなどの加工食品にもリンが含まれています。リンの少ないたんぱく質を選ぶ・加工品の調理の工夫などで摂取を減らすことができます。

食事療法継続のポイント

透析療養中の食事では、以下のようなコツをつかめば楽しく食事をすることができます。

  1. 水分や塩分・カリウム・リンなどは、調理などで工夫し摂りすぎないようにする。
  2. 痩せないよう、自分に必要なエネルギーと栄養素を確認して摂取する。

透析療養中の日常生活の注意点

日常生活では、食事に加えてよい睡眠と適度な運動も大切です。また、体の一部となったシャントを守るための注意が必要です。

日ごろからシャントを守る

透析を行うための重要な「シャント」。シャントが閉塞・感染が起こると透析ができず再手術が必要になることもあります。日常生活では「長時間肘を曲げる」・「荷物を持つことによる圧迫」は、血流を遮断し閉塞を起こす恐れがあります。このような動作には注意しましょう。「シャント部分をこまめに見て・触れて拍動を確認する」ことが大切です。気になることがあれば、病院など施設スタッフに連絡しましょう。

適度な運動をしましょう

「慢性腎臓病の早い段階から次第に身体機能低下し始める」との研究報告があります。筋力低下・活動性の低下を防ぐためにも個人の体調や状況に合わせて適度な運動をしましょう。運動は、筋力を増加させるほか、リフレッシュにもなります。

質の良い睡眠で気力を充実させましょう

透析患者さんでは、不眠を訴えることが多くみられます。質の良い睡眠のために、生活習慣や就寝前の環境を整えるようにしましょう。また、別の病気や症状が原因になっていることもあります。不眠が継続するようであれば主治医に相談しましょう。

排便習慣を整えてきちんと栄養素を摂る

透析患者さんは、カリウム制限に伴う食物繊維の摂取不足・飲水制限・リン吸着薬などの影響・除水・排便する時に重要な筋肉の衰えなどが組み合わされることにより、便秘になりやすいといわれています。便秘により食欲不振になることで食事量が低下し栄養不足となり、他の病気に対する抵抗力も落ちてしまいます。

便秘にならないように以下の工夫をしてみましょう

  1. 食物繊維の含まれる食品(野菜など)にはカリウムを含むことがあり、食物繊維の摂取が少なくなることがあります。できるだけカリウムの少ない食物繊維を含む食品を選んで摂取するようにしましょう。
  2. 食物繊維・乳酸菌ビフィズス菌などを含むものを摂取すると排便改善効果も期待できます。
  3. 朝食を摂ることで、排便反射が起こり排便を促してくれます。朝食をきちんと摂り、トイレに行く習慣をつけてみましょう。

透析治療中に落ちてしまう免疫力をアップする食事や習慣についても見る


このページの参考資料一覧

  • MediPress(メディプレス) 透析
    https://dialysis.medipress.jp/hint-of-life/meal/16
  • 透析患者の食事管理: 新しい考え方
    https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsdt1994/36/5/36_5_305/_pdf
  • 慢性透析患者の食事療法基準
    https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsdt/47/5/47_287/_pdf
  • eヘルスネット
    https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-003.html
    https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-04-003.html
  • 公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット
    https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/kenko-cho/chonaikankyo.html

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腎臓病は一度なってしまうと残念ながら回復することはありません。透析治療でも賄えなくなると、腎臓移植しか道がなくなってしまいます。
そのため、透析治療だけに頼るのではなく、食事をはじめ、腎臓に負担をかけない生活習慣を持つことが重要です。
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透析と長く付き合うために必要な「酵素」とは
透析治療中の腎臓や体調を維持していくためには体内の酵素を増やすことが肝心!

免疫低下や合併症など、透析治療にはさまざまな問題があります。
体調を維持しながら透析とうまく長く付き合っていくためには、腎臓や体になるべく負担をかけないことが重要です。そのために必要と考えられるのが酵素です。
酵素は消化・吸収・代謝・排泄など、人が生きていくために必要不可欠。酵素が不足すると体内の老廃物を排泄する機能も低下し、腎臓に負担がかかるだけでなく、免疫力の低下にもつながってしまいます。

   

腎臓に負担をかけないためには、体内の酵素を増やすこと。ここでは、酵素の働きや、科学的根拠について紹介していきます。

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