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血液透析は受け方に選択肢がある
腹膜透析の場合、自宅で透析治療を行うのがメインですが、血液透析は、基本的に病院にて日中に透析治療を受けます。ですが、現在は、自宅にて透析を行う在宅血液透析・施設に1泊して行うオーバーナイト透析・短時間で連日透析する頻回透析など透析方法に変化が見られます。
在宅透析
在宅透析とは
透析療養患者さん自身が、病院ではなく自宅にて血液透析を行う治療法です。在宅透析では、自宅に透析を行うための機器を設置して、患者さん自身で透析回路の組み立て・シャント穿刺・透析中の状態管理・返血などのすべてを行います。病院と同じ血液透析が行えますが、医師の指導・管理下のもとで行なわれます。
在宅透析のメリット・デメリット
メリット
在宅透析では、十分な時間をかけしっかり透析を行うことができます。また、連日や隔日透析が可能で、通院透析よりも透析日数を増やすことができます。栄養改善が図れることで食事制限を緩めることが可能です。さらに体調の変動を少なくすることができ予後の改善が期待できます。
ほかには…
- 自宅で自分の都合に合わせて行うことができ仕事に支障をきたさない。
- 通院の負担が軽減される。
- 自分専用の透析機器を使用するので透析液の変更が行いやすい。
- 通院による院内感染のリスクがない。
デメリット
- 透析治療中は、患者さんの安全確保のため家族の付き添いが必要。
- 治療場所と透析置き場物品置き場など4畳ほどのスペースを準備する必要がある。
在宅透析を開始するための条件
基本的に在宅透析は「心疾患がない」「血液疾患がない」「透析中の血圧変動が少ない方」に向いている透析法です。ですが、緊急時の対応については、通院血液透析よりもリスクが高くなります。また、自宅での治療では、安全に行うための決まりに沿って自己管理していく必要があります。
ほかには…
- 治療中は、患者さんと同一住宅内にいて、緊急時の対応が出来る。また出血時の止血と透析機器の緊急停止ができる付き添いの方が必要となります。
- 通常のシャントが理想的です。人工血管を使用したシャントなどの方は、リスクを伴います。
- シャントの自己穿刺の方法・透析中の体調管理などについて在宅透析についての研修・準備期間が必要となります。
- 血液透析治療を受けるために2畳ほどのスペースと透析物品保管場所として2畳必要となります。電気・排水については工事なしで使用可能です。賃貸マンションでも在宅透析が可能です。
- 在宅透析も保険適応となります。自宅への透析関連機器の設備費用と透析にて使用する水道・光熱費の自己負担が生じます。
在宅透析の注意点
相談事項などは、外来受診時にスタッフに相談しますが、「急ぐ場合やトラブル発生時は、24時間365日電話対応」また、災害時にも患者さんと連絡が取れるよう衛星携帯電話を準備している施設もあります。
オーバーナイト透析(長時間透析)
オーバーナイト透析(長時間透析)と夜間透析の違い
- オーバーナイト透析…夜間の睡眠時間を利用して7~8時間透析する方法で、自宅で行う方法と施設にて行う方法があります。
- 夜間透析…一般的に透析受診は日中に限られています。夜間透析は、仕事などが終了した夕方6時から8時まで受付し透析治療を受ける方法です。
オーバーナイト透析のメリット・デメリット
メリット
夜間に長時間透析を行うことでさまざまなメリットがあります。
- 仕事や学業への時間的な制約が解消できる。
- 時間当たりの除水量を減らすことができ心臓や体への負担が軽減される。
- 合併症が改善し薬剤の使用が減らせる。
- 一般的な透析では除去しにくい物質の除去が可能。
- 患者さんの予後がいいことが報告されている。
デメリット
- 夜間の透析のため日中の透析に比べると緊急時の対応が遅れてしまうことがある。
- オーバーナイト透析が実施可能なクリニックが限られている。
- 透析の機械が気になりゆっくり眠れない。
- 寝ぼけて針を抜いてしまう。
オーバーナイト透析を受けるための条件
オーバーナイト透析中に緊急性を要する体調の変化を避けるために導入前に体調面について確認し開始します。
- 心臓・血管などの合併所症のコントロールが良好である。
- 透析間の体重増加が多いと除水量が増え安全な透析が行えないため、体重と食事管理がきちんとできている。
オーバーナイト透析のスケジュール
施設で受けるオーバーナイト透析では、タイムスケジュールに合わせて行います。
例えば、火木土の夜から翌日の朝にかけて週3回7~8時間のスケジュールで透析を行います。午後8時~10時の間に透析を開始、午前0時4消灯、午前4時~7時の間に終了します。
オーバーナイト透析の注意点と対策
眠っている間に透析の針が抜ける・予期しない体調の変化
このような注意点に対して次のような対策を行っています。
- 血液の流れる回路はチューブが引っ張られてもすぐに抜けないようU字に固定。
- 血液が漏れていないかセンサーを使用して確認。
- 間違えて針を抜かないように包帯で保護。
- 監視モニターで患者さんの状態を確認。
透析機械が気になり眠れない
このような注意点に対して次のような対策を行っています。
- 患者さんの睡眠時間の確保のために血液測定などは行わない。
このように施設では、ゆっくり睡眠がとれ安心して透析が受けられるよう対策などを講じています。
頻回透析
頻回透析は、「週5回以上の治療をおこなう」ことが定義となっています。透析時間が1回6時間の長時間頻回透析・1回1時間半から3時間未満の短時間頻回透析・1回3~6時間の標準時間透析があります。在宅と施設両者で治療が行えます。
頻回透析のメリット・デメリット
メリット
- 透析間隔が短く、体重増加が少なく透析中の血圧が安定する。
- 尿毒症物質が多く除去できる。
デメリット
- 体にとって必要な栄養素も同じように除去してしまう。
- 透析ごとにシャントを穿刺するので、シャント血管の損傷・感染を起こす恐れがある。
- 施設で行うと通院回数が増え時間的制限がある。
頻回透析を行う条件
頻回透析は、週5回以上の治療であり、時間的な制限があります。施設にて行うよりも在宅にて治療する方が現実的です。
そのほかの受け方
旅行や出張・帰省中など単発の透析治療を受け入れている施設もあります。
他施設での透析治療を希望する際はまず、希望の透析施設を確認します。そのあと主治医と相談し、透析治療受け入れ施設間との情報交換を行うことで透析が受けられます。
透析の受け方 まとめ
透析は、在宅透析・オーバーナイト透析・頻回透析・他施設での透析治療が受けられます。このように時間や場所に縛られることなく生活スタイルに合わせて自分に合う透析方法を選択することができ生活の質の向上が図れます。
透析治療中の体調管理に役立つ
酵素とは?
このページの参考資料一覧
- 日本腎臓学会発作成の診療ガイドライン
https://www.jsn.or.jp/guideline/guideline.php
- 一般社団法人日本透析医学会透析治療ガイドライン
https://www.jsdt.or.jp/dialysis/2094.html
- 腎移植推進委員会 腎不全 治療選択とその実際
(日本腎臓学会、日本透析医学会 で紹介している冊子)
http://mediobank.com/pdf/2020allpage%201.pdf
- 透析会誌 52(9):497~531,2019
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsdt/52/9/52_497/_pdf
- 全腎協 腎臓病について > 治療法について
https://www.zjk.or.jp/kidney-disease/cure/
- MediPress(メディプレス) 透析
https://dialysis.medipress.jp/disease-and-cure/dialysis-basic/14
https://dialysis.medipress.jp/disease-and-cure/dialysis-basic/8
https://dialysis.medipress.jp/disease-and-cure/dialysis-basic/9
https://dialysis.medipress.jp/disease-and-cure/dialysis-basic/19
https://dialysis.medipress.jp/disease-and-cure/dialysis-basic/88
- 東京新橋透析クリニック公式サイト
https://www.toseki.tokyo/overnight-dialysis/
透析治療に頼るだけでは体を守れない
透析治療中の腎臓や体調を維持していくためには体内の酵素を増やすことが肝心!
免疫低下や合併症など、透析治療にはさまざまな問題があります。
体調を維持しながら透析とうまく長く付き合っていくためには、腎臓や体になるべく負担をかけないことが重要です。そのために必要と考えられるのが酵素です。
酵素は消化・吸収・代謝・排泄など、人が生きていくために必要不可欠。酵素が不足すると体内の老廃物を排泄する機能も低下し、腎臓に負担がかかるだけでなく、免疫力の低下にもつながってしまいます。
腎臓に負担をかけないためには、体内の酵素を増やすこと。ここでは、酵素の働きや、科学的根拠について紹介していきます。